心のプラカード

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14.07.13 Sun
ブログ踊り放題!

心のプラカード

僕がまだ20才頃の話。
近所の同級生の千田君のうちに遊びに行った。
千田君は、中学を卒業してすぐに働きに出たので
社会人としては大先輩だ。
僕はまだ大学に通っていた。
「おう、池田!ディスコに行かないか?同級生の
藍原も連れていくから。」
藍原は、中学時代からちょっとヤンキーっぽかった
女の子だ。
そのときにはじめて「ディスコ」という単語を耳に
した。
うちは今でこそスカイツリーが建って有名になった
押上の近くの八広と言う下町の工場街。
千田君が連れて行ってくれたのは錦糸町の場末のデ
ィスコ。
それが、僕とダンスとの最初の出会いだ。
ダンス!!! こんな面白い遊びがあるんだ!
大人って凄いな!
音楽にノルこともできず、ただ突っ立っていながら、
そのあやしい空気を全身で楽しんだ。
それから、ほぼ毎日、千田くんにもないしょで錦糸
町のディスコに通った。
毎日!
日によって、ファッションディスコ的な、いわゆる
「マッチョマン」に代表されるディスコナンバーが
かかる日と、ディ−プなソウルトレイン風のブラック
ミュージックばかりがかかる日があって、僕はそれこ
そ女の子には目もくれず、毎日常連のステップを盗ん
では、その場の空気に馴染むように、身体を動かして
いた。
その日々があって今がある。
その日々がなくしてラッキィ池田はない。
まぎれも無い事実。
2014年。
AKBの総選挙の前に、秋元康さんから電話があって、
こんどの新曲は、昔のディスコダンスをやりたいとい
うことだった。
「ねえラッキィ!むかしさ、みんなディスコじゃ、ひ
 とつの方向に向いて同じダンスを踊っていたじゃな
 い!あれ、やりたいんだよね!みんなで踊って日本
 を元気にしたいんだよ!それって、あのディスコを
 体験している人じゃなと、作れないじゃない!」
一瞬で昔を思い出した!
あの、ダンスに憧れた日々。
そこにはプロのダンサーなんていなかった。
みんなアマチュア。
でもみんな、ダンスが好きで好きでしょうがない人達。
アマチュアって、「素人」という意味じゃない。
「好きで好きでしょうがない!」というのが語源だ。
そう言う意味では僕は今でもアマチュアだ。
「心のプラカード」
みんなに踊って欲しい!
これは見て楽しむダンスじゃない!
いっしょに経験するダンス!
この夏を、一緒に盛り上がりながら過ごすダンス!
あの20才の夏、汗だくになって踊ったディスコナンバ
ーの数々が頭の中でリフレインする。
そして、僕はあの錦糸町のディスコにいる!
勇気を出してDJにリクエストする。
「心のプラカードかけてよ!」
「オーケー!」
一気にフロアーが盛り上がる!
常連のダンスを見ながら踊る僕。
そう、これは、まさしくあの夏のダンスだ!
まゆゆもちょうど二十歳!
昔、まだ高校生の頃に劇団扉座の「ドリル魂」に出て
くれたよね!
その扉座も錦糸町!
夏よやって来い!そして、燃え上がろう!
僕の二十歳の思い出をセンターのプレゼントにさせて
くれ!
これが、僕のこのダンスに込めたプラカードだ!
 

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