「オーシャンズ１１」のバシャー役がマジシャンだと
いうことで、どれだけマジックの通販で買い物をした
か。
例えば掌の中から突然ステッキが飛び出す「アピアリ
ングケーン」は、ゆうに１０本以上家にある。
マジック指導の北見先生のステッキは夢のように扱い
やすく、金属製なのに危なさも感じさせない優れもの
でしたが、マジックのステージ用なので、ストッパー
の仕組みが、舞台の芝居の中で使うのはむずかしいと
思った。
ちなみに値段を聞くと数万円もする高級品だ。
しかし、何十回に１回はストッパーがひっかかる事が
ある。
マジックのショーならば、スルーする事も可能だが、
芝居ではゼロか１００しかなく、しかたなく別のスト
ッパーの方法を探った。
で、数あるなかから、ステージに使おうと決めたものは、
１本９００円の粗悪品だ。
完全に日本製のコピーで、金属が危険きわまりない！
鋭利なステンレスの刃が凄いスピードで手を通過する
と思って欲しい。
それでも、そのスピードは魅力的だった。
バシャーなら、どれを選ぶか、、、、、、、、
多分、危険な粗悪品だろうと思い、やっかいなケーン
との付き合いが始まった。
練習で、毎回指をカットする。
その部分に、見えないバンドエイドを貼って、保護す
る。それでも、また別の部分をカットする。
ようやく、３カ所のカットする部分を探し出した。
ここを、保護しておけば行けると踏んだ。
舞台では、練習の甲斐があって、１００％成功させて
いた。
で、東京公演最後のステージで、手の保護を怠った。
２本ステッキを出すのだが、１本目で、薬指をカット
した。目にはしなかったが、生暖かいものが指を伝わ
ってくるのがわかった。
とっさにズボンのポケットに手を入れ、ポケットで血
を拭った。
黒いパンツなので助かった。
何事もないように、２本目も出し終え、１幕終えて楽
屋に帰ってズボンを脱ぐと、シャツにまで血がしみ込
んでいた。
練習の時に北見先生のお弟子さんに
「金属製は怖いです。よく、指切っちゃうんです！」
と言われたが、これでマジシャンの仲間入りかなとも
思えて、嬉しかった。
それでも、飛び出すステッキは９００円の粗悪品を選
ぶ。
バシャーが安全なものを選ぶはずが無い。
バシャーが求めているのは、つねにスリル。
大阪公演でも、このスリルを楽しむ。
さて「アフィリアサーガ」の諸君！
君達に魔法を教えるときがやってきた！
このマジックと言う魔法は一度快感を知ると抜け出せ
ないから注意してくれたまえ。
ＡＫＢ４８のまゆゆ様が、
「『オーシャンズ１１』観に行きます。バシャーです
　よね！」
と言ってくれたのは驚いた。さすがは宝塚ファン！
そう、俺はバシャーだ。
マジックの達者な、ならずものだ。
今日も、粗悪なステッキと遊んでいる。